地中の温度は一年を通じて約15℃で、夏も冬もほぼ一定の温度となっています。
地上の気温変化に関わりなく、通年一定である地中の温度を「地中熱エネルギー」と称し、近年注目の自然エネルギー〝地中熱〟として空調などで活用されています。
地中熱利用システムのしくみ
地中熱ヒートポンプのしくみ
地中熱エネルギーを取り出すには、右図のような仕組みの”地中熱ヒートポンプ”を使います。
ヒートポンプとは、冷媒(CO2やフロンなどの気体)の圧縮や膨張による温度変化を利用して水や空気の温度を上げる技術です。
ヒートHeat(=熱)
ポンプPomp(=汲み上げる)
地中熱ヒートポンプは、オール電化などで使われている空気の熱を利用するヒートポンプと比べると、年間を通じてほぼ一定で安定した熱の供給が可能で、そのため夜間や冬季などの寒冷期においてより高い性能を示します。また、地中熱ヒートポンプは地中に熱を逃がす仕組みのため、近年地球規模の問題となっている都心におけるヒートアイランド現象対策にも有効とされています。
現在では、コンビニエンスストアの冷蔵庫や温水プール、道路の雪を溶かす装置などにも使われており、アメリカとスウェーデンでは特に普及が進んでいます。
年間を通じて15~16℃を保っている地中熱の特性を有効利用する地中熱ヒートポンプ。気候や気温の影響を受けない安定的なエネルギー源として利用するシステムは電気エネルギーの節約へとつながります。夏でも冬でも一年中適温に近い地中熱を使う為おおむね、夏場で65%、冬場でも30%程度の電力費削減に繋がります。省エネルギーかつ、二酸化炭素排出量の大幅削減も期待される大変有用なエネルギーシステムです。
地中熱と太陽光発電の有効利用イメージ
タイプ別_地中熱利用システム
地中熱を利用したエネルギーシステムはその土地の特質を生かし、より効率的で環境負荷のかからない自然エネルギー利用を実現させています。
1. クローズドループ方式
(冷媒直接循環)
最新の高効率地中熱利用システムです。
空調の冷媒(フロンガスなど)が直に採熱管の中を流れるので、いわゆる〝エアコン室外機〟が不要。
採熱のためのボアホールも深さ30mで十分なので、施工の低コスト化も実現していける『冷媒直接循環』の地中熱利用システムです。
直接膨張式
2. オープンループ方式
(地下水利用)
地下水が豊富な土地の場合、大変有効なシステムです。
地中熱同様、地下水もほぼ通年一定の温度を保っており、その地下水を地層の帯水層より汲み上げヒートポンプ内を循環して熱交換利用される『二井循環方式』です。汲み上げた井戸水はヒートポンプ以外にも散水用などに利用することができます。
ヒートポンプで熱の受け渡しをした後の水は汲み上げた井戸とは別の井戸に還し、再び地中の滞水層に戻される自然の循環サイクルを乱さないように考えられた、優れた地中熱利用システムです。
二井循環方式
3. クローズドループ方式
(不凍液循環)
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二次側冷媒方式