現在、地中熱の山梨県内での一般利用状況はまだまだ発展途上ですが、地域に準する地中熱のポテンシャルは決して低くはなく、これからの利用拡大に期待が持てます。
地中熱ヒートポンプ一般利用状況
地中熱エネルギーを利用したヒートポンプシステムは、欧米では広く利用されていますが、日本ではほとんど利用されておらず
「我が国における地中熱利用の状況は世界に比べると後れている!」と言わざるを得ないのが現状です。
地中熱利用ヒートポンプシステムは、欧米では1980年代から普及し始め、米国ではすでに60万台以上が利用されています。
日本でも今後、欧米並の普及が期待されています。
山梨県郡における
地中熱のポテンシャル
帯水層の存在する可能性を判断基準とすると,古い地質ほど固結した岩盤で帯水層を含む可能性が低いことになります。
甲府盆地内を分類すると4つの区分ができます。
甲府盆地内のほとんどは沖積層,洪積層の分布する第四系に分類され,地盤・地下水用ができる地域です。
北西部に分布する第四系は火砕流堆積物,火砕岩が分布し,地下水位も低いことから,地盤・準地下水熱利用地域に分類されます。
第三系の花崗岩類が分布する地域は,地盤熱利用に限定されます。
盆地を囲むように分布する第三系は,地下水が賦存する可能性が低いため,地盤熱利用地域となります。
したがって,甲府盆地内はほぼ全域で地盤熱利用,地下水熱利用に適した地域と考えられます。
山梨県郡内地域
総合地中熱マップ
エアコンは大気中の熱を利用し冷暖房を行いますが、大気の温度は季節によって大きく変化するので,熱交換率は必ずしも良くありません。
夏場は高温の大気を取り入れ冷却するために電力消費量が増え,冬場の暖房も同様です。
一方、地中の温度は地表下約 15m以深ですでに季節変動がみられず恒温で、深度 100mの地中温度はおよそ12~15℃程度です。
盆地の大部分は地中熱ポテンシャルが「普通~高い」と評価でき,地中熱孔を設置し利用することは十分可能です。また,地中熱ポテンシャルが「低い地区」は,採熱量が他の地区に比べて相対的に低いとはいえ、地盤熱の利用は可能と考えられます。